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BBM:偏見問題は社会生活全てに影響すると訴える作品

やっと観ました、噂のBrokeback Mountain. 実はハリウッド映画ばかりやる映画館の券で今月までに使わないといけないものがあったのだけど基本的にハリウッド映画見に行かないのでずっとどうしよう、バットマンでも行くかと思っていました。今はMemoir of Geishaもやってるけどもこれじゃなくて楽しめるのないかなーと調べたら隣町ではこの映画券でBBMが観れる、というのが発覚。きっとオスカーにノミネートされたのでこれは人が入ると思われ大きな映画館でも上映するようになったのでしょう。ちなみに以下のオスカーのサイトでなかなか良くまとまった3分程の映画のまとめが観られます。まずCMで始まり、その後にもしかしたら他のノミネートされた映画をやるかもしれませんがBBMは必ず2番目くらいにはやると思います。OSCAR.com - 78th Annual Academy Awards - Flash Streaming Player

だけどいざ友人を誘ったらみんな既に見てるんですねえ。そりゃあこっちでは上映して数ヶ月たってしまってるしクイアの間での噂は凄かったし、さらに中国系の友人にとっては
Ang Lee監督が取った白人だらけのゲイ映画、という意味でも注目モノなんですね。
だから来週結婚する年配Tさんを誘って、是非行きたいといわれたけどもやっぱり忙しいと。結局急に連絡が来た、最近結婚した”ハネムーンは日本で”と話しているゲイカップルと行く事に。このうちの一人とは大学の恩師が同じ縁、そしてそのパートナーは車椅子生活者で私の妹と同じ、という縁で話しが合ったりするので久しぶりに映画ついでに合うことに。以下は直接ではないけど間接的なネタバレありです。

まずこのメインの俳優さん、オーストラリア人ということらしいが演技がうめえ。まず結婚前と後では声のトーンから話し方まで(多分結婚してちょっと落ち着きが出た、とかそういうことかも)。あとホモフォビアが自身にも強く影響している中相手への愛しさを感じて生じる八つ当たり、怒り、罵倒、悔しさ、やり切れなさの表現がまたまた・・・これは演技指導がいいのかもしれないが、ニクイ表現をして、私も抱きしめたくなったねえ。
だけどオーストラリア人の彼のアメリカ保守州のアクセントの真似がめちゃめちゃうまい。これはもちろん演技指導でなされるけどかなりセンスがいいとみた。彼がオスカーでベスト・主人公の役、みたいなのにノミネートされてるのも心から理解できる。

そしてそのオスカーでベスト・脇役みたいな賞にノミネートされてるこの相手役。この人は可愛いしカッコいい。話し方も凄く愛嬌がある。彼が出演してるほかの映画を観たらさらにこの人の演技のうまさがわかるんだと思うんだけど。でもHシーンは正直私はえっ?と思ったな。そんなにすぐそっちの体勢?っていう・・・ まあ初めのとこだけね。あとは自然だったけども。せつなさの表現がなかなか。この俳優さんの他の出演作品をもっとみたい、と思った。

この女性は主人公の奥さん役で旦那は男性と浮気しているとわかっていながらも口にださず、ずっと表情で感情を訴えている。なんと、この女優さんは実生活のなかで主人公の俳優さんと本当に結婚しているらしいですよ。友人、曰く。で、この女優さんの表情がまたうまい。ちょっと演技の表現のうまさが主人公というか旦那さんと似ているのかも。この女性の演技から、この映画はゲイが差別されている保守的な社会の話し、というだけではなく、ゲイが差別されている影響というのは実はとても広くて愛する家族をも破滅に向かわせてしまう、というのがわかる。同性愛への差別は異性愛の方たちも不幸にするもので、家族、仕事、社会階級(クラス)、生活水準、新しい恋人との関係、人生の終わり方など様々な方向に関係するというのが徐々に感じられる。そうやって見えてくる順序のなかにこの女性の役が重要だった。ゲイの映画できっとあまり注目を浴びないだろう女優さんだけども是非賞を取ってもらいたい。

という感じで結構男性のやるせない感情のぶつかりありに涙しながらも
いらいらして男であんまり感情を口にしない人いるけどこれほどまでにしないもんかね?と
一人で疑問に思ったり。まあ社会がそうさせた、みたいな理解や背景もこの物語の
一部なんだろうけども。結局自分が自分を受け入れられないから色んな人が
迷惑を蒙る、というのも見えてくる。だってやっぱり現実に自分の家族や仕事や
色々なものを投げて全部捨てて愛のためだけに引っ越すのは難しい。
そして実際それまで悩んで10年してやっと引っ越した後一年以内に別れる、という
カップルも少なくない。だけどみんな人間で、それも人生だし、それも経験していいよね、ってことだろう。まあやっぱり幸せに終わればいいけどもそうじゃない結末もあるし。
偏見が一番怖いし、こういう例はまだどこにもある。結婚できてもあるし。
ただこういった作品がオスカーにこれほどノミネートされるのはやっぱり意味深い。
色々と文化が変化しているプロセスなんだと思いたい。

ちなみに友人カップルはコレ観るの2度目で2度目の方が良かった、とのこと。
かなり感情の面をゆっくり感じられたようです。私も是非もう一度くらいはみたいな。

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映画:クイア/同性愛」カテゴリの記事

コメント

seaさん、TBども!

投稿: flowfree | 2006/04/09 08:05

やっと観ましたのでTBさせて頂きます。ところで、どこかのネオンの様なスキンがやたら、まぶしくて、まぶしくて・・・・(神神しいと書くと、お世辞にもなりませんが)

投稿: sea1900 | 2006/04/09 03:11

あと、メキシコ系のタチ系兄さん、ピックアップしてましたねえ。
やっぱり自認はとっくにしてたのか。まあこの4年間がその自認を育てたのかもしれない。いや、不器用ななかでのいきなりの体勢はやっぱり自認してたかな・・・

投稿: flowfree | 2006/03/09 10:20

ああ、nicoさん、見逃しちゃったかー。まだ誰ともこれ共有できてないので楽しみにしてたんですよん。監督やってるクイア友人も自分の作品にも入れたりするけどこの映画のversatileは見逃した、って。マニアックだねえ、とも言われたけどもいみあると思うんですよねえ。でも2度目では目から汗もでたようで、かなり感情の動くまま観てたようでそれは良かったです。他に邪魔されるのはもったいない(笑)

確かにそうですね。サイドミラーのシーン、そういえばそうだったな、と。でも2度目じゃないとそのニュアンス伝わらなさそうな。んでやっぱりいきなり、だからこその不器用さ、というのありますねえ。あの状況でロマンチックさも無いしね。まあタブーな状況からも言ってロマンチックにはなってなかったかもしれないし。4年後の再会がポイントなんですねえ。

投稿: flowfree | 2006/03/09 10:17

2度目、目を凝らしてみてたのに−!「versatile」見逃してしまいました。
ちぇっ。感情移入しまくって興奮してたせいでしょうか。
ジャックは完全にボトムで、自認もとっくにしてますね。冒頭でトラックのサイドミラーでヒゲそりながらしっかりイネスにチェック入れてるし、メキシコではタチっぽいがっちり系をピックアップしてるし。
でも、反対にあそこでロマンチックなキスや抱擁や愛撫があったりしたら、逆に嘘くさいかなとも、思いました。「いきなりああ」で武骨さ、不器用さが感じられるというか。ロマンチックな抱擁は4年後の再会で果たされるというところに、意味が有るのではないかと、思いました。

投稿: nico | 2006/03/09 07:12

akaboshiさん、お待ちしてましたー♪初日、初回から観るとはさすが!やっぱり??あのエッチシーンは思わず突っ込まずにはいられなかったんだけどゲイ友人はカップルでシモネタだめみたいだったからずっとこれ話したくって誰かに(笑)nicoさんとakaboshiさんが乗ってくれて本当に嬉しい(笑)”あなたたち初めてなのか、と思ったらジャックさん、いきなりその体勢から?”って何度も言わなくていいか(笑)やっぱり日本のゲイも気になるよねー。ゲイじゃなくても(まあクイアだけど)気になったわ。だからnicoさんと勝手に”下の体勢”になったほうは既に前から経験があったことを匂わせるんじゃないか(つまり彼の方はある程度ゲイアイデンティティーがあってもう一人はそれほどないー上のコメント参照)、ってしてましたよ。

投稿: flowfree | 2006/03/08 16:09

やっと話題に加われます(笑)。
僕も、あのエッチのシーンには、ちょっと引いたなぁ〜。
いきなり、ああはならないよね(笑)。
気になったのはそこ位かな。
けっこう、これから日本のゲイが観に行って、話題になるのはあそこかもしれない(笑)。

投稿: akaboshi | 2006/03/05 20:02

seaさん、こんばんは☆きれいな映画館だったらどこがいいんでしょうかねえ。あまり混んでないほうが見やすいけど賞のこともあり初めは混みそうですね。

投稿: flowfree | 2006/02/28 15:50

こんばんは♪〜私も早く観てみたいですね。武蔵野館では嫌だし、どこか綺麗な映画館が希望です。2回は見ないと良く理解出来ないかもしれませんが、期待しています。

投稿: sea1900 | 2006/02/26 20:53

nicoさん、また観に行く予定ですか。是非チェックしてみてください。いわゆるトラクターっていうか、工事の乗り物の名前です。

それで今思うとやっぱり終わり近くのほうでエニスの心が揺れ動いてジャックがイライラしてる感じだから始めは精神的、性的にも設立したかもしれなかったトップ(エニス)/ボトム(ジャック)が後にエニスの精神的弱さから崩れたかもしれないトップ・ボトムの関係、またはその逆転をこのversitileがちょっと示してるのかも、って思ってます。まあ、ほんと記号的な一部の捉え方ですが。

投稿: flowfree | 2006/02/24 01:36

versitileには気づかなかった。今度よく見てみようと思います。

投稿: nico | 2006/02/20 20:43

nicoさん。それができないのよ。TBするにはこのアド、って全ての記事の一番下にあるんだけどもそれをコピペしてもダメでね。でもお知らせありがとう。

んでお返事の意味わかりますー。やっぱりこの二人のジェンダー的な関係性が現れるところに、この”いきなり初めからあの体勢”、っていうのが意味深く入ってるかもしれませんね。だから結局エニスはclosetedのtopでジャックがsomewhat self-identified bottomなんでしょうか。でも気づきました?私は一人で笑ってたので友人も気づいたかわからないんだけど、Jackが奥さんのところの会社で扱うキャタピラ、っていうのかな、工事に使う乗り物に乗ってたんだけども、その乗り物の名前が"Versitile"だったんですよ!どっちもやっぱりゲイなのかい、ってところでトップとボトムもあると思ったけどももしかしてこの乗り物がでる前後で性的か精神的にかわからないけど上・下の差がなくなり、versitileになってきていたのでしょうか。と記号探しが好きな私の見解です。。。

投稿: flowfree | 2006/02/13 19:00

追記:このブックマークレットを使って出てくる編集画面にトラックバックURLの項があるから、そこに該当記事のトラバURLをコピペすればいいんだと、(やっと)気が付きました。

投稿: nico | 2006/02/13 18:00

映画を見た時、あのシーンで若い女の子たちがくすくすけらけら笑ってて、ちょっとむっときて「このシーンなくてもいいんじゃない?」と思ったんだけど、よく考えるとあのシーンはふたりの間の力学を考える上でキーになりますね。
たしかにJackは自認してるし、あの時点でかなり知識も(経験も?)あったと見る。最後に出てくるJackの両親もとっくに知ってて母親の方はそれでも受け入れてたって感じがするし。
逆でもしJackが上になる立場だったら、もっと時間かけないとかなわないよね。それこそ「いてえだろ、ばかやろー」で終わったと思う。
答えになってないかな。

akaboshi blogへのTBは「ブックマークレット機能」を使うとできますよ。下記のページ参照あれ。

http://www.excite.co.jp/exblog/faq/?kind=detail&id=17

あ、でもこれ使っても自分の記事にリンクははれるけど、相手のトラバのところには登録されないかも。

投稿: nico | 2006/02/13 13:20

nicoさん。完全にゲイってことは私生活で、それともこの映画の中で?多分映画の中での設定が完全にゲイか、ってことだと思うのだけど、やっぱり Jackは個人で男性をナンパしたりメキシコで男性買ったりとあるのでEnnisよりはゲイ自認が強そう。んでnicoさんにも同意しながらも質問だけど、あの体勢(って!)はやっぱり経験がないと下の位置のお方はすぐああなれないと思いません?ゲイ自認やある程度の経験か自己での探求?経験がないと、興奮してたって、”やっぱりいてえだろ、ばかやろー”となると思うんだけども・・・特にあの前戯がない状態では気持ちよくなれるのはかなりの技?ではないでしょうか。二人では始めて、ってことになってるしね。やっぱりストレートの男がやりそうな状態、だけどもJackに限っては経験あるの?あなた、という感じで。こんなことを映画観ながら考えてたんだけどそれは友人には言わなかったのよね^^;彼らあまりシモネ〜タ〜話さないからねえ。どう思いますか?(質問返しー^^)

ちなみにakaboshi new blogからTBができないんですよー。良くnicoさん成功しましたねえ。

投稿: flowfree | 2006/02/13 09:37

トラバありがとう。
おとといこの映画について久しぶりに会ったゲイの友達と話してたんだけど、彼はふたりは完全にゲイだと言い張るんですよ。ぼくは少なくともエニスの方はもっとストレートに近いところにいるんだと思ってて、それでその(保守派にとっての)危険性について自分の記事で言及したわけだけど、あんまり意味の無い論点だとは思いながら、flowfreeさんは、どう思う?
そのHシーンで「すぐそっちの体勢?」っていうのも、いかにも「前戯」に時間をかけないストレートの男っぽいじゃない?^^;(しょーもないコメントですみません!)

投稿: nico | 2006/02/13 07:48

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» 『ブロークバック・マウンテン』 [海の上のピアニスト]
やっと、レイトショーで鑑賞出来た。 これまでに、先入観を持ちたくなかったので、レビューを読まないでいた。 ロケーションと音楽のバランスが、20年間と言うイニスとジャックの愛の話を、ゆったりと自然に溶け込むようにしている。素朴な爪弾きが、イニスの素朴で、不器用な性格を現しているようにも思えるし、最初から、イニスを意識していたジャックの、素直な愛を表しているようにも思える。 携帯も無い時代に、手紙という連絡方法は、時間と距離を繋ぐ物で、情緒がある。まして、最後のはがきに押されたスタンプは、... [続きを読む]

受信: 2006/04/07 16:49

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